ロシア派遣体験談
岡田 千裕
派遣当時 北海道大学農学部生物機能科学科3年
派遣先大学 極東連邦大学(ウラジオストク)、イルクーツク国立大学(イルクーツク )
派遣期間 平成29年2月7日~2月17日
準備科目 (国際交流科目)
派遣プログラムの内容について
ロシアを知る短期留学という名のもと、ロシアの町(ウラジオストクとイルクーツク)について学んだり、ロシアの町での生き方(注文の仕方、お店の仕組みなど)、ロシアの文化経済社会などいろいろなことを学んだ。 ロシアの今の状況や、ソビエト時代のことも学べ、基礎から学べた。今までアメリカ、カナダ、エストニア、フィンランドと海外を経験してきて、ほとんどすべての国でイメージ通りということが多かったが、ロシアはテレビや写真で見る夏のサンクトペテルブルクやシベリアの針葉樹林、ソ連時代の暗い風景、玉ねぎ頭の教会などの先入観や、ステレオタイプのイメージをガラッと変えるものであった。英語はもちろんのことロシア語も多少学ぶことができた。
ロシアについて基礎から学ぶことができたので基礎知識がなかった私はロシアについてほとんど何も知らない状態で、どちらかというとこの留学にはロシアについて知りたいという気持ちで臨んだため、実りのあるものであった。ロシアの雰囲気を味わいたい、ロシアに興味がある学生にはぴったりなものであった。またロシア人の英語は時に聞きにくいこともあったが、質問する機会をしっかり与えてくださるし、両方とも母国語でないということもあり、こちらが伝えたい意思をみせれば熱心に聞いてくれたり、ゆっくり待ってくれたりするのでやりやすかった。さらに日本語がペラペラな学生もいて、すごく安心感があってよかった。しかしそれに甘えてしまい思ったより英語を話す機会は少なくなってしまった。しかし講義は英語で行われるため、聞き取る能力、英語がぱっとでる能力は向上したと感じた。
海外での経験について
ロシアではほんとに英語が通じなかったし(もちろん日本語も)、文字もキリル文字で勉強していなかったのでまったく意味も分からない、予想もつかない状態で海外に滞在したのは初めてだった。Google翻訳にたよってもわからなかったり、店員さんのジェスチャーもわからなかったり、最初のほうは一人での買い物は恐怖でしかなかった。店員さんは日本に比べれば無愛想で、怖かった。ここでは現地の大学生や、先生、ロシア語を勉強しているほかの学生に頼りっぱなしだった。中盤から後半はキリル文字とロシア語にだんだん慣れてきたのか怖さがなくなり、言語で意思疎通ができない環境を楽しめるようになった。ロシア語も少し覚え、レジの後にロシア語でthanks alotというと無愛想な店員さんが笑ってくれたり、少し微笑んでくれたりするのがうれしくて、頻繁に使った。やはり少しでもその国の言語を覚えていくことも大切だと思った。
今後の進路への影響について
ウラジオストクとイルクーツクの二つの都市をみて私にマッチしそうなところはイルクーツクであった。空港についてから車に乗り滞在先に着くまでの町に惚れた。そしてそこに住む人、そしてコンパクトな町、さらにヨーロッパらしい芸術文化。もちろん大学の施設もだ。私は今植物の根に共生する菌の研究をしている。そのためsoil and biologyの学部棟内を見学し、そこで授業をうけ、教授陣の話を聞いて、ここで勉強したいという思いが膨らんだ。残念ながら院生の授業はすべてロシア語で行われる。しかし今まで英語力の向上のことも考え英語圏への進学や就職や、出張に憧れていたのに、別に英語圏の国でなくてもいいのではないかという全く新しい道が見えてきた。さらにロシア語も習得できれば、3ヵ国語話者にもなることができるでのはないかと期待も膨らんだ。
その他
この留学はロシアを身近に感じることのできるとても貴重で大切な経験であると思われるので、ぜひ多くの学生に参加してほしい。日本の学生はアメリカ、カナダ、オーストラリア、ヨーロッパなどに目が向きがちだと思う。ロシアも極東ではなくモスクワやサンクトペテルブルクなどのヨーロッパ側が有名であるので、この留学を機会にシベリア地域の理解を深めてほしい。