PARE特定課題研究(バンドン工科大学)2024
持永 勝也
北海道大学大学院工学院 修士2年
私は、2024年の夏に北海道大学で開催された2週間のサマースクールに参加し、秋にはインドネシアで4か月間の長期研究インターンシップに取り組みました。
2023年の春には、姉妹プログラムであるSTSIコースを通じて、インドで1か月間の短期研究留学を経験しました。その際、海外で自分の力を試す楽しさや、現地の文化に深く入り込んで体験する面白さを実感しました。この経験がきっかけとなり、本インターンシップへの参加を決めました。
まず、事前にインドネシアの友人を作りたいと考え、サマースクールに参加しました。結果的にこの選択は大成功で、のちの留学生活をより充実したものにしてくれました。サマースクールでは、「火山の災害と恩恵」をテーマにした講義や、洞爺湖での2泊3日の宿泊研修を実施しました。特に印象的だったのは、インドネシアの学生たちの主体的な学びの姿勢と、学びの場を盛り上げる姿でした。彼らはとても明るく活発で、私自身、彼らと一緒に学ぶことがとても楽しく、今でも忘れられない2週間となりました。また、ここで同じ志を持つ日本人学生とも知り合い、自分に足りない部分を認識するとともに良い刺激を受けました。
インドネシアでの研究インターンシップでは、北大の指導教員の先生がバンドン工科大学の学生を指導していた関係で、現地の学生とともに研究を行うことになりました。研究室には学部4年生3人、修士課程1人、博士課程1人、そしてインターンとして来ていた高校生2人の計7人が在籍していました。彼らはとても明るくフレンドリーで、毎日研究室に行くのが楽しみでした。さらに、研究が終わった後はみんなで夕食を学外で食べるのが日課になり、そのおかげで留学中に孤独を感じる暇はありませんでした。彼らには感謝してもしきれません。
私の研究テーマは、河川中の薬剤耐性菌を測定するセンサーの開発でした。バンドンとジャカルタを縦断する、世界で最も汚染された河川の一つであるCitarum川をサンプルとし、本センサーの研究開発を進めました。具体的には、与えられたテーマをもとに実験のプロトコルを作成し、それらを実行、結果を解析するという一連のプロセスを行いました。北大の研究室とは設備環境が大きく異なっていたため、限られたリソースをどのように活用すれば目標とする実験が可能になるかを試行錯誤しながら進めたことは、大きな学びとなりました。また、得られたデータについて研究室メンバーや教授と議論を重ねる過程を英語で行うことは難しく、今後さらに鍛えていく必要があると感じました。
生活面では、多くの困難がありました。特に印象的だったのは、英語が通じない場面の多さと、デング熱にかかって入院したことです。大学の外では基本的にインドネシア語でやり取りする必要があり、留学序盤はひたすらインドネシア語を覚える日々でした。数字くらいは事前に覚えておくべきだったと後悔しています。また、デング熱にかかり、数日間歩くことすらままならない状態になりました。人生初の入院でしたが、病院での朝食が揚げ物だったことは、今でも良い思い出です。
大学には10人ほどの日本人学生がいました。日本人が身近にいたことは心強く、毎週金曜日にはBARに集まり、インドネシアでの面白い出来事を語り合うのが恒例となっていました。また、週末にはサマースクールで知り合った友人を訪ね、ジャカルタやジョグジャカルタを案内してもらいました。受け入れ先の大学だけでなく、インドネシア各地に信頼できる友人がいたことは非常に心強く、彼らのおかげでバンドンだけでなく、さまざまな地域の文化を知ることができました。
最後に、PAREプログラムを通じて私は多くの素晴らしい出会いに恵まれました。単なる交流にとどまらず、お互いのことを深く知る機会が多かったため、私にとって驚きの連続でした。その中で、普段疑問に思わなかったことに疑問を持つようになり、新たな学びへの意欲が高まりました。このような貴重な機会を提供してくださったPAREプログラムのスタッフの皆様には、心から感謝しています。これを読んでいる皆さんにも、ぜひPAREプログラムへの参加をお勧めします。研究や学会の準備などで忙しい日々でしたが、多くの友人に恵まれ、大学生活の最後に素晴らしい思い出を作ることができました。PAREに参加して本当に良かったです。
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