PAREサマースクール2018, インターンシップ
髙橋 春南
北海道大学大学院農学院 修士2年
留学を二か月後に控えた私は、辛い物を食べるトレーニングを始めました。
遡ること半年前、修士になったばかりのころのこと、研究室の教授からPAREプログラムのことを教えて頂きました。学部時代に熱中した部活動を終え、大学院の2年間でも北大でしかできないことにチャレンジしたいと思っていた私には、とても魅力的なプログラムでした。迷わず留学を決めたものの、英語をそんなに話すことができない私に大丈夫なのか不安でした。留学前の腕試しになると思い参加したPAREプログラムのサマースクールは、10日間を通して、アジア各国から来た学生と一緒に「PARE」に関する講義を英語で受けたり調査を行ったりするというハードな内容でした。始まってしまえば不安になる暇もなく、なんとか乗り切りました。
私は農学部で植物ウイルスの研究をしていたので、同じ分野の研究ができるカセサート大学の研究室に留学しました。タイの研究室は、日本の研究室とは雰囲気が大きく違います。音楽をかけながら、歌いながら実験を行う姿が印象的でした。どんなに忙しくても、お昼はしっかり食べる。おやつも食べる。タイに来たからには、太って帰りなさい!と言われたことを覚えています。オンとオフがとてもはっきりしていて、やるときは鬼のように黙々と実験していました。タイ流のワークライフバランスです。
留学先での研究テーマは、トビイロウンカという昆虫が媒介するイネのウイルスでした。これは熱帯地域で特に問題になっているウイルスです。先輩と試行錯誤しながら実験を進めるのはとてもやりがいがありました。ゼミで、実験計画や報告をしてみんなに意見をもらったのもいい経験です。ゼミはお菓子を食べながらする、ということに衝撃を受けましたが、タイでは普通のことだそうです。
研究以外でも、文学部のタイ語の講義に参加し、スリランカやミャンマー、インドネシアの友人に出会えました。タイ仏教に興味を持ち、図書館で調べたり、寺院をまわったりもしました。15時間電車に揺られ、友人の家に遊びに行ったこともいい思い出です。
PAREプログラムを通して、サマースクールで英語の講義やプレゼンをみっちり行う経験と、留学で自分のやりたいことをする経験、どちらもできたのが私にはあっていたように思います。私は英語で話すことに苦手意識があったので、PAREプログラムに参加することは勇気のいることでしたが、参加して本当に良かったと思っています。英語を学ぶのではなく、自分のやりたいことを英語で学ぶことができたのがとてもよかったです。
全く違った文化の中で3か月間暮らした体験は、この先どこでも暮らしていけるという自信になりました。何よりも、会いに行ける友達がアジア各国にできたというのが一番うれしいことです。出会いの場を与えてくれたPAREに感謝しています。
タイには辛いものがたくさんありました。留学前は、辛いものが食べられなかったらタイでは暮らしていけないと心配し、毎日辛い物を食べるトレーニングをしましたが、タイに行ってみれば大した問題ではありませんでした。これは英語も同じでした。
まずは、PAREプログラムに飛び込んでみてはいかがでしょうか!