PARE サマースクール 2021
末吉 勇樹
北海道大学大学院水産科学院 修士1年
はじめに、私がこのプログラムへの参加を決めた理由から説明します。私はこの年、就職活動をしていました。業界研究や企業研究を進める中、日本企業が抱える一つの課題を見つけました。それは日本の少子高齢化による、労働生産人口の減少と市場の縮小です。 これにより、将来の日本企業は外国人労働力の確保と海外市場への参入を余儀なくされます。そのため、どの企業でも就職後は勤務時の英語でのコミュニケーションが必須になると確信していました。このようなことを理解した一方で、私は英語のコミュニケーションに自信がありませんでした。TOEICの勉強や修士研究を通して、聞くことと読み書きはある程度できていましたが、留学などの英語を話す機会がなかったこともあり、英会話には自信を持つことができませんでした。そこで私はこのプログラムに参加し、自分の英語を話す力を伸ばそうと考えました。
このプログラムでは授業ごとにZOOMのブレイクアウトルーム機能を用いたディスカッションが行われました。最初こそオンラインの英会話に戸惑ったものの、徐々に慣れて積極的に会話に参加することができました。多くのディスカッションを通し、英会話は綺麗な文章で伝えることよりも、まずは伝えようと積極的に話すことが大切なのだと学びました。自分たちがカタコトの日本語を理解できるように、伝える意思を持って積極的に話せばほとんどの場合伝わります。このことに気づけただけでも、このプログラムに参加した価値があったと感じています。このことは英会話以外の日常の全てのことにおいて言えることです。勉強や部活など日常の中で挑戦を必要とする機会は多々あります。今までの自分は下手くそだからという理由で挑戦を避けていましたが、これからは積極的に挑戦し、失敗を重ねて成長していこうと思えるようになりました。学術的な学びも多くありました。このプログラムを通し、問題を様々な視点から考えることができるようになりました。私は水産科学院の修士1年であり、これまでの大学生活を通して水産に関する多くの知識を蓄えてきました。そのため環境問題を考える際、漁業者や水産的視点に立って問題を考える傾向にあります。しかし、現実に起こっている環境問題はだれか一人の立場で考えるべきではありません。例えば、脱炭素一つを考えるにしても、農業、工業、水産業、先進国、新興国など様々な立場があり、それぞれが抱える問題や取り組むべき課題は異なるはずです。そのため、複数の団体にまたがる問題を解決するには、それぞれの立場で問題を考えるべきです。このプログラムでは、専門や出身国が違う様々な人と関わることができ、問題を多角的に考える力を養うことができました。
私がこれまでに述べたように、このプログラムは英語能力だけでなく様々な力を養うことができます。そのため、このプログラムに参加したいが、英語に自信がない方でも、まずは積極的に挑戦してみることをお勧めします。