ロシア派遣体験談
首藤 聖矢
北海道大学情報科学研究科メディアネットワーク専攻修士1年 工学部情報エレクトロニクス学科
派遣当時 メディアネットワークコース4年
派遣先大学 極東連邦大学(ウラジオストク)・北東連邦大学(ヤクーツク)
派遣期間 平成28年3月5日~13日
準備科目 (国際交流科目)
派遣プログラムの内容について
今回の派遣プログラムは極東や北極圏を対象としたロシアの大学と北大が環境、文化的多様性、土壌と生産、地域資源開発、防災管理の5つの分野で協力するRJE3プログラムの準備科目です。ウラジオストクではロシアの文化や歴史、芸術など、ロシアという国を理解することを目的としていて、ヤクーツクでは現地の学生との交流や専門分野に関する授業、学術施設の見学などを体験しました。
学習成果について
ウラジオストクでは、美術館や博物館を訪れました。また、バレエの鑑賞も行いました。日本に比べてロシアでは芸術が人々の生活に密着していると理解しました。また、ウラジオストクにある旧日本人街から歴史を辿るツアーでは、ロシアと日本の繋がりを感じることができました。
ヤクーツクでは、講義を通してサハ共和国の歴史や文化を学びました。サハ共和国は言語、宗教、人種、民族などが混在する多様性があると感じられました。ダイヤモンドや金など貴金属の博物館を訪れ、ロシアが資源大国であると再認識できました。永久凍土の見学や寒冷地での生活を見ることができました。これらから、北海道での環境整備や土地開発の技術をロシアでも応用することができるのではないかと思いました。
海外での経験について
ロシアへの訪問は一度ヨーロッパ方面で経験がありますが、アジア方面では初めてでした。
ウラジオストクではモスクワよりもアジアのからの影響を感じました。日本人街や、チャイナタウン、コリアンタウンなどの歴史の跡から、距離が近い極東の国々との繋がりが強い場所であると感じました。ウラジオストクにあるシベリア鉄道の駅からモスクワへ向かう経路が、アジア人にとってヨーロッパへ向かう手段であったと聞き興味深く感じました。
ヤクーツクはウラジオストクとは異なり、白人のロシア人ではなく、アジア系のヤクート人が多数派でした。北東連邦大学の授業でヤクート人は環境や言語、宗教などが異なっても、同じロシア人であると聞き、日本のように日本人が大多数といわれる環境とは全く異なっていても、ロシアという国は一つなのかと違いを感じました。
今後の進路への影響について
今回のロシアへの派遣からロシアという国への理解が深まりました。今回の派遣ではロシアを見るだけでなくロシアで働く日本人の方とお会いする貴重な機会がありました。ロシアは現在の資源依存型産業に代わる新たな産業を開拓している最中であるとお聞きしてRJE3の各分野を活かした産業が望ましいと考えました。
今後の進路において、ロシアの持つ文化的多様性をもう少し体験してみたいと思いました。
私の研究分野は言語処理と人工知能に関するもので、研修によって、ロシア語と日本語の機械翻訳に興味を持つことができました。そちらの方面で就職することも視野に入れて検討したいと考えています。
その他
異なる環境でも同じ国民だというアイデンティティを持てるという点に強く関心を持ちました。
今回の研修ではロシア語よりも英語を話す機会が多くありました。日本人がロシア人とコミュニケーションする上で使用言語が日本語やロシア語よりも英語が求められ、国際語として機能しているという点が興味深かったです。