学生体験談
武山 将大
北海道大学生命科学院
生命融合科学コース修士1年
参加フィールドワーク 北極圏での環境観測実習<ヤクーツク> 平成27年8月4日~14日
基礎科目
ヤクーツク・スパスカヤパッドで過ごしたフィールドワークの日々は、とても有意義なものとなりました。この環境観測実習は北極圏の永久凍土やその植生を解析するというものでした。私のグループではカラマツとマツの森でそれぞれ土が凍っている深さまで実際に掘り進め、土を一定の高さごとに採取しました。土の重さや湿度、温度、飽和水の量などを比較し、スパスカヤパッドの森のフィールドキャパシティなどを評価・考察を行いました。座学で得た知識を基にしての考察は、自分の研究分野と全く異なっていて難しかったですが、新鮮味に溢れ、環境について考えるきっかけとなったと思います。
また、この実習は北海道大学の他に北東連邦大学の学生達も参加していましたので日露文化の交流イベントがありました。日本側では習字、折り紙、スイカ割りを紹介しました。改めて自国の文化を英語で紹介するというのはなかなか大変でした。自分達が思っているより日本の文化は広く知られていて、折り紙なんかはロシアの人達の方が上手に折れていて少し悔しかったです。北東連邦大学の学生達からはサハ共和国の文化を紹介してもらいました。全く日本の発想と異なったものから、ちょっと似たものが日本にある遊びまでとても楽しい時間でした。
実習が終わった最終日にPermafrost Kingdomへの見学とその近くのレストランでロシア料理を食べることが出来ました。永久凍土の中にあるこの博物館はとても気温が低く、氷の彫刻がとても幻想的でした。レストランでの食事の際は、サハ共和国の食習慣を教わることができました。
全体を通して、極東シベリアでの生活はとても良い経験になりました。何回も人工衛星の軌道が見えるきれいな星空や、永久凍土のせいで所々破壊されているアスファルト、高い緯度によるいつまでも落ちない夕日など全てが新鮮でした。何より森の中でスコップ持って汗をかくというのは、普段室内でフラスコ振ってデータを集めている自分の姿とはかけ離れたものでした。どれもこのRJE3プログラムに参加しなければ絶対に体験できないものでした。本当に参加して良かったです、バックアップして頂いたRJE3セントラルオフィスと杉本研究室の皆様ありがとうございました。