学生体験談
中嶋 灯奈
北海道大学理学院
自然史科学専攻修士2年
参加フィールドワーク 礼文島国際フィールドスクール<礼文島>平成27年8月16日~22日
基礎科目
礼文島での国際フィールドスクールは大変貴重な体験になりました。特に有意義に感じた理由は3点あります。まず、ロシア人学生をはじめ様々な国の人と交流できた点、考古学における発掘から整理作業までの過程を体験できた点、そして、今なお続く礼文島での漁業のなりわいを垣間見ることが出来た点です。
まず、礼文島では様々なバックグラウンドを持つ方々との出会いが溢れ、新鮮な日々を過ごすことができました。様々な国の学生とお話することで日本と他の国との共通点や相違点を見出すことが出来ましたし、多様な視点からの研究をされている先生方の講義は大変魅力的でした。中でも、行動を共にしていたロシア人学生との交流は印象的でした。最初は言葉の壁もあり不安もありましたが、一緒に歌を歌うなど、音楽を通じて打ち解け合い、かけがえのない関係を築くことができました。特にロシア人学生に見せていただいた、ロシアの博物館の展示物の写真には日本のものと似ているものがあることに驚きを感じ、文化の面でも、心理的にも、実習を通してロシアがより近く感じるようになりました。
次に、実習期間において、遺跡における発掘作業のみでなく、室内ラボでの遺物整理や講義の聴講など、幅広い活動を行うことができたことは有意義でした。ラボにおいて遺物をじっくり観察し、分類や整理の方法について知る機会があったことが、多くの遺物が出土する現場での発掘において、例えば特に大切な遺物を見逃さないように注意するなど、実際に役立ちました。
さらに、礼文島で過ごすことで、古代から現代まで、海と密着した生活が続いていることを実感することが出来ました。遺跡の発掘や博物館見学において、海と関係の深い古代の生活を垣間見られたことは勿論のこと、礼文島を歩いていると、海で漁をする人の姿がよく見られたり、また宿での食事でとれたての魚介類をいただいたりするなど、「今なお遺跡は作り続けられている」ことを体感することができました。
礼文島での国際フィールドスクール参加を通して、国際的な視点で日本の文化を捉え、また過去から現在、未来への文化のつながりを追うことが出来、空間的にも時間的にも視野を広げる良い機会を得られたことに感謝しています。